12cups

本居宣長さんも難しくて降参。

IMG_3645アメリカ、ワシントンの国立歴史博物
スミソニアン博物館は、19の博物館から成り、他地域
の博物館と合わせると、その収納物は1億4000万点に
も及んでいます。

 

 

 

 

アポロ月着陸の記念の石、エジソンやライト兄弟等の偉人達と並んで、
1999年久司道夫さんの著作、研究データ、彼の使用した道具である、まな板、、鍋、包丁、
すり鉢などの調理度具等が永久保存されることになりました。
日本人では初めてのことです。
 1970年代に入るとアメリカでは癌、血管、心臓などの慢性病が増えはじめ、1977年、民主党
の大統領候補にもなったことのあるジョージ マクガバンが「マクガバンレポート」を発表して
います。
そこでは、「癌、血管、心臓病が増えた原因は食生活の誤りにある。食生活を改めなけ
れば、先進国は慢性病の激増で大変なことになる。」と明言されていました。そして、動物性
蛋白質、白い砂糖、精製食品の摂取を大幅に減らし、穀物、野菜、果物の摂取を増やすこと
を奨めてこのレポートを作成していく上で貢献したのが、久司道夫さんが当時アメリカで普及活動
をしていた「マクロビオテックの料理法」でした。
その後、国際連合には「国際マクロビオテック協会」が設立されました。
2004年10月20日号のニューズウィーク(日本版)の「世界が尊敬する日本人100人」のひとり
に久司道夫さんは選ばれています。
久司道夫さんの師匠であった桜沢如一さんとその仲間達は世界各地で「マクロビオティック」
の普及活動に励みました。
考え方の異なる多くの民族への普及は多くの困難がありました。
西洋の医学とは違うアプローチで、からだに起こる不快な症状、変調を改善、正常へと導く
「東洋医学」。
そのベースにあるのが「陰陽五行」という考え方。マクロビオティックでは調理の基本にこの
考え方を取り入れています。
自然界全体の絶妙のバランスに学び、人間も大自然の一部ととらえ、からだのしくみをも、
自然界の動きに照らし合わせて、探っていく「陰陽五行」の考え方は、今から2千年前に成立
した中国伝統医学の根幹をなす書物「黄帝内経(こうていだいけい)」に書かれています。
「人体のしくみ」「人はなぜ病にかかるのか」「それをどうしたら治せるか」、あるいは「そもそも
病にかからないためにはどうしたらよいのか」が書かれています。
「黄帝内経」の医学は、現代の私たちからすると神秘的な世界のように見えますが、しっかり
とした理論を揃えた、当時における最先端の科学です。

現代の医学とは別の、まさに「もう一つの医学」といえます。 そこには、今日の行き詰った
医療の現場に新しい道を切り開くヒントが満ちていると考えられています。

「黄帝内経」は漢の時代に編纂された医学書で「素問(そもん)」と「霊枢(れいすう)」で構成されています。
古代中国医学の理論と実際が総合的かつ体系的に記されていて、鍼、灸、漢方といった
東洋医学の原典です。筆者は未だに特定できていないそうです。
2009年、内科医の家本誠一さんは、重要な医学書であるにもかかわらず、中国でも、
日本でもこれらの本を正確に読んだ人はいないと判断され、この古典に現代医学の見地から
翻訳・注釈されました。
この古典は日本では非科学的で迷信の塊として排斥されてきたそうです。内容が先進的
すぎて理解されなかったと家本さんは語っています。
家本さんが「素問」を研究し始めたのは40年ほど前だそうです。
仕事の合間にこつこつと、また同志の人々と共に購読する中で、現代医学の見地から翻訳・
注釈したそうです。その後、「霊枢」の訳注にも取り組まれ、2009年「素問訳注」「霊枢訳
注」(各全3巻)を自費出版されました。これによって初めて医学書としての内容が明確に
なったと自負していらっしゃるそうです。
家本さんは1923年(大正12年)にお生まれになりました。お父様は横浜で薬局を横浜で
開業され、一般の医薬品に加え漢方薬も扱っていたそうです。
中学1年の頃、家に置いてあった「漢方と漢薬」という専門誌を読み、将来は医師になって
漢方を勉強しようと心に決めたそうです。
横浜市大病院で内科の臨床、千葉大で病理解剖学を勉強され、56年内科医院を開業され
たそうです。
早速、漢方の大家、滝野一雄先生について漢方の指導を受け、ここで初めて「素問」の素読
に接したそうです。
その後に、東京・入谷の鍼灸師、井上恵理先生に鍼灸を学び、そこで柴崎保三とお知り合い
になりました。
柴崎さんは第18軍参謀としてニューギニア戦線でご活躍された軍人。現地では補給不足に
よって、西洋医学を学んだ軍医がほとんど役に立たず、病人が次々に命を落としていったそうです。
その体験から戦後、鍼灸の道に進んだ方でした。

柴崎さんは中国語学者・藤堂明保さんに漢字の語源を学び、難解といわれた素問の現代語
訳に取り組んでいました。
その柴崎さんが東京・四谷の鍼灸学校で毎週土曜日の午後、素問の講義をしていると聞かれたそうです。

当時家本さんの医院は毎日多数の患者さんを診ていました。しかし、このままではとても
素問を読めない。
そこで決心して、土曜日の午後を休診にして講義に通われたそうです。

素問は伝説の皇帝、黄帝と医師の問答という形で書かれています。
陰陽、五行、三才といった哲理とともに医学の全部門にわたって詳細に論じています。
殊に正確な解剖学と生理学を備えていて、医療技術でも現代の世界に通用する有効性を
持っているそうです。

しかし、この本の内容は古代漢語と現代西洋医学の知識がなければ理解できません。
江戸時代の国学者で医師の本居宣長も「わからない」と学友あて文に書いています。
柴崎さんはそんな素問の現代語訳を20年かけてさせ、霊枢の翻訳もされました。
霊数は鍼灸の実技や解剖、疾病などが書かれていて、素問とあわせて読むことで中国古代
医学の全貌を把握できるそうです。

柴崎さんは一文字一文字を徹底的に研究して素問、霊数を文字のうえから正確に読めるよう
にされました。

家本さんは柴崎さんの仕事を受け継いで、さらに医学書としての内容を明確にすることに
努めたそうです。

1985年ごろ、医師、薬剤師、鍼灸師などによる横浜と東京の2つのグループから素問
講読してほしい」と依頼されたそうです。
他人に講義するには自分がきちんと分かっていなければならない。わずか20字前後の
文章を理解するのに幾晩もかかることは毎度のことだったそうです。

素問には現代に通用するたくさんの臨床記事が載っているそうです。
インフルエンザ脳症で家本さんが経験した一例では、症例は13歳の男子。風邪による
高熱で伏せっていたところ、突然起き上がって床の周りをぐるぐる歩きまわり始めた。
母親が声をかけると我にかえって寝床についたそうです。

素問に「邪が陽(頭)に入る時は即ち狂す」とあるそうです。邪とは人体にストレスを与えるもの
で、現代医学の細菌、ウイルスに当たるそうです。

邪が頭に侵入すると狂を起こす。狂とは精神に異常をきたしぐるぐると歩き回る病である。
本症はまさにその実例であると。

骨髄における赤血球の生成には腎臓のホルモンが必要だそうです。
素問はこの腎臓と骨髄の関係を知っていた。腎臓の病で貧血が生じることが記載されているのです。

鍼や鍼灸といった日本の伝統医学は理論面が弱いのではないかと家本さんは感じている
そうです。
それを素問、霊枢で理論的な基礎を作る仕事をしたい。

また今後、この優れた漢代の医学書の内容を容易にして一般向けの健康読本を作りたいと
考えていらっしゃるそうです。

LINEで送る
Pocket
Bookmark this on Google Bookmarks

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。